● 全身の結合組織を系統的におかす、原因不明の慢性炎症性疾患である。
● 膠原病の概念はPaul Klemperer(P 1887/8/2〜1964/3/3, オーストリア→米国の病理学者)が1942年に提唱した。
全身のコラーゲンにフィブリノイド変性が見られる一連の疾患群の総称として定義された。
● のちに、コラーゲンの変性が病態の本質ではないことが明らかになり、膠原病という名称が不適切であるということで、connective tissue disease(結合組織病)とも呼ばれるようになった。
● その発症には免疫系の異常が関与すると推定され、自己免疫疾患の代表と考えられている。
● 膠原病を「重複症候群 multifactorial diseases」と捉えるという考えもある。
古典的膠原病 ● 全身性エリテマトーデス ● 全身性硬化症 ● 皮膚筋炎 ● 多発性筋炎 ● 関節リウマチ ● ウマチ熱 ● 結節性多発性動脈炎 ● 混合性結合組織病 |
その他の膠原病・膠原病類縁疾患 ● シェーグレン症候群 ● 顕微鏡的多発血管炎 ● Wegener肉芽腫症 ● アレルギー性肉芽腫性血管炎 ● 過敏性血管炎 ● ベーチェット病 ● コーガン症候群 ● RS3PE |
■膠原病にみられる共通した特徴
症状として発熱、疲れやすい、関節痛、筋肉痛、こわばりなどがみられ、これらは全身性の炎症によって生じる。骨・関節や筋肉に痛みとこわばりがある場合には、関節リウマチ性疾患という範疇に含まれる。
1. 全身の結合組織が侵され多数の臓器が障害される。結合組織が侵される病気は、膠原病以外にもたくさんあり、これらは結合組織疾患という範疇に含まれる。
2. 自己免疫疾患に含まれる。
3. 遺伝病ではない。
4. 伝染病ではない。
5. 悪性腫瘍ではない。
6. リウマチ熱以外は明らかな細菌によって起こる病気ではないので、抗生物質は効かない。
7. 副腎皮質ステロイドが有効。