神経疾患-肢端紅痛症

尖端熱性紅痛症 erythermalgia

● 四肢末梢の紅潮、皮膚温の上昇、灼熱痛を三徴とする、きわめてまれな症候群。
● Mitchell’s disease とも呼ばれている。カウザルギーを報告したSilas Weir Mitchell(P 1829/2/15〜914/1/4, 米内科医)が1878年に最初に記載し、「erythromelalgia」と命名した。
● ギリシャ語 erythros (=redness) + melos (=extremity, limb) + algos (=pain)
● SmithとAllen EAが1938年に再分類し、特に熱を特徴とするものを 「erythermalgia(尖端熱性紅痛症)」と呼んだ。
● 皮膚の細動脈が周期的に拡張し、焼けつくような痛みや熱感を起こし、足と、それより頻度は低い が手に発赤を起こす稀な症候群
● 症状はレイノー症候群と全く逆であるが、末梢の栄養血流の減少に起因して痛みが生じる点は同じである。末梢での動静脈シャントが開閉しているが、毛細血管前括約筋が狭窄しているため、総血流量が増加するが、栄養血量が減少するといった血流の不均衡が原因となると考えられている。
● Erythralgiaとerythromelalgiaは違うか、同じか?

■ 二次性の肢端紅痛症

● 骨髄増殖性疾患、高血圧、静脈不全、糖尿病、関節リウマチ、硬化性苔癬、痛風、脊髄障害、多発性硬化症の人でもみられることがある。
● 降圧薬のニフェジピンやパーキンソン病の治療薬であるブロモクリプチンなどの薬の使用に関連していることもある。
● 先端紅痛症は原因となっている病気が診断される2〜3年前に発症する。
 ドクササコによる食中毒

■ 原発性肢端紅痛症 primary erythermalgia

■ 家族性肢端紅痛症 Familial erythermalgia

● 児童と青春期に多く発病する常染色体優性遺伝病を呈する肢端紅痛症
● ナトリウムチャネルの閾値を低下させるNav1.7をコードする遺伝子SCN9A(sodium channel, voltage-gated, type IX, alpha subunit)の変異が、原発性肢端紅痛症や、直腸・眼球・顎下腺に突発的な痛みが生じる発作性激痛症(Paroxysmal extreme pain disorder: PEPD)に関与