脊椎関連の痛み-馬尾症候群 Cauda equina syndrome:CES

[症状]

● 馬尾が圧迫されて出現する症状である。
● 両下肢〜足底のしびれ、会陰部のしびれ、同部位の感覚障害
● 圧迫が高度の場合は両下肢の筋力低下も認める。
● 膀胱直腸障害

[成因]

● 馬尾(神経)や脊髄円錐の障害
 脊髄円錐の障害は正確には脊髄症状であるが、臨床症状は馬尾圧迫による馬尾症状と同様である。
● 腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、腰椎や仙骨の亜脱臼・不安定性、腫瘍、その他の原因による馬尾の圧迫
● 脊髄くも膜下麻酔の合併症:腰椎穿刺による神経損傷、出血、感染、消毒液混入、腫瘍
● 局所麻酔薬によるCESの発生原因は、壊死またはアポトーシスによる神経細胞死であると考えられている。
● 他の脊椎クモ膜下麻酔の合併症には一過性神経症候群や硬膜穿刺後頭痛がある。

〇一過性神経症状 transient neurologic symptoms:TNS
 一過性神経症候群 transient neurologic syndrome
 ● リドカインを用いた脊椎麻酔後に起こる下肢の痛みや痺れを主訴とした感覚障害優位な神経障害
 ● 疼痛は激しい場合もあるが、一過性である。
 ● ブピバカインに比べてリドカインで約10倍頻度が高いと言われている。