脊椎関連の痛み-脊柱管狭窄症 -頚部脊柱管狭窄症

■ 頚椎症性脊髄症 Cervical spondylotic myelopathy

● 頚椎症:頚椎の椎間板、椎間関節などの加齢的変化が原因で、骨棘の形成、靭帯の肥厚、椎間板の膨隆などが起こる加齢的変化。
● 頚椎症が原因で、脊柱管の狭窄が起こって脊髄症状が発現した状態
● 生まれつき、脊柱管が狭いと、トンネルの中で脊髄が圧迫されやすくなる。
● 50~60歳の男性に好発
● 頸部周囲の痛みや可動域制限、手のしびれがみられる。それに加えて、手指の巧緻運動障害や手足の感覚障害もあらわれる。
● 治療方法
 保存療法:薬物療法(消炎鎮痛剤、筋弛緩薬、ビタミンB12製剤など)、神経ブロック、安静、温熱療法、牽引療法、牽引療法。
 手術療法:症状が強く、手指が自由に使えなくなったり、階段の上り下りが不自由になったり、歩行障害がでると手術適応である。

■ 頸肩腕症候群 Cervicobrachial syndrome]

● 頸部、肩から上肢にかけての連鎖的な痛みを主訴とする、原因が特に明確でない疾患群の総称。
● 頚椎疾患、胸郭出口症候群などの器質的な異常が明らかなものは除外する。
● 若年女性や長時間パソコンを使う作業などに従事する人に好発する。
● 原因:前傾姿勢などの一定の姿勢で長時間手指を使う作業や単調なデスクワーク、ストレスが原因。
● 症状:頚部、肩、背部、上肢などに筋肉のこり、だるさ、痛みなどの症状がみられるが、神経学的な異常所見はみられない。
● 治療:運動療法、温熱療法、マッサージ、消炎鎮痛剤の処方や、作業環境の改善や悪姿勢の回避、休憩時間の確保などの指導