スポーツによる筋肉痛
■遅発性筋痛 delayed onset muscle soreness: DOMS
● 運動後数時間から1〜2日後に痛みが生じて、1週間程度で自然に消滅する筋肉痛。
● 不慣れで強い伸張性収縮運動 eccentric exercise contraction: ECCに伴って、しばしばDOMSを生じる。ECCとは、筋肉が引き伸ばされながら力を発揮する収縮。筋長が最大限に伸びた時に伸張負荷が加わると、ECCが生じやすく、筋力低下、腫脹も顕著になる。
● 筋肉が短縮する動作のみの等尺性や短縮性収縮運動 concentric exercise contraction: CECではほとんど生じない。
● 下り坂走 downhill runningがDOMSを誘発することは知られている。
● 運動により筋線維にミクロの損傷ができ、それに伴い一連の炎症反応が起こることで痛みを感じる。DOMSの本態は、筋と結合組織の損傷後の炎症反応に伴う現象。
● 痛覚受容器は、筋線維そのものにはなく、筋膜に存在する。筋線維の微細損傷の修復時にみられる炎症過程で発痛物質が発生し、これが筋膜を刺激して痛みが起こる。
● 伸張性収縮運動を行い、筋が損傷を受けると、筋線維の傷害を反映しているクレアチンキナーゼ(CK)の血中濃度で増加する。CKは運動後3、4日目にピークに達する。CKのピーク時点で、筋線維は壊死し、白血球の浸潤や腫脹などの炎症像が見られる。
● 年齢をとると、DOMSが遅れて出ると言われているが、年齢とDOMSは関係がない