レイノー症状 Raynaud’s phenomenon |
レイノー症候群 Raynaud’s syndrome |
レイノー病 Raynaud’s Disease |
1862年:Maurice Raynaud(P 1834/8/10〜1881/6/29, フランスの医師)が最初に報告した。 |
1935年:Telford EDが1935年にsympathectomyを行った。 |
● 寒冷や情動刺激に対して生じる四肢末端の虚血症状。手足が発作的に冷たくなり、痛みを伴うことが多い。
● レイノー症状の古典的3大徴候
pallor:蒼白
cyanosis:チアノーゼ
rubor:発赤
● 血管が過剰反応を起こして攣縮し、血流が阻害されて、症状が出る。
● レイノー病の60〜90%は、15〜40歳の女性
● 交感神経系を刺激するものはすべて、中でも寒気と強い情動は動脈を収縮させる原因となるため、レイノー症状を起こすきっかけになる。
● レイノー症状は、混合性結合組織病、強皮症、関節リウマチ、アテローム動脈硬化、クリオグロブリン血症、甲状腺機能低下症、外傷、ベータ‐ブロッカー、クロニジン、片頭痛治療薬(エルゴタミンとメチセルジドなど)によって引き起こされる。
● レイノー症状がみられる患者には、動脈の収縮によって起こる別の疾患:片頭痛、異型狭心症、肺高血圧症を併発している人もいる。
● 白蝋病もレイノー症候群の一つである。
[症状]
● 指やつま先の細動脈の収縮は、ほとんどが寒気にさらされることがきっかけとなって急速に起こり、数分から数時間続く。
● 指は普通、まだら状に青白くなる。この現象は1本の指だけにみられる場合も複数にみられる場合もある。
● 指が傷つくことはないが、しびれる、刺すような痛みがある、チクチクする、熱くなるなどの症状がみられる。
● 発作が終わると、障害された部分は普通よりも赤くなったり青みを帯びたりする。手や足を温めると正常な皮膚の色と感覚が回復する。しかし、特に強皮症の患者では、レイノー現象が再発して長びくようになり、手や足の指の皮膚がツルツル光って突っ張るようになる。
● 指の先端に小さな潰瘍ができて痛むこともある。
[治療]
● 軽症のレイノー病は、頭、胴、腕、脚を寒気から守ることによってコントロールできる。
● 興奮したときに症状が現れる場合は、弱い鎮静薬やバイオフィードバック法が有効
● 禁煙:ニコチンは血管を収縮させるため、厳禁
● カルシウム拮抗薬:ニフェジピン、アムロジピン、ジルチアゼム、ベラパミルなど
● 降圧薬:ドキサゾシン、フェノキシベンザミン、プラゾシン、レセルピン、テラゾシンなど
● 他の治療法が効かない場合は、症状を軽減のため、交感神経ブロック、交感神経切除術