● 椎骨の椎間関節突起間部 pars interaticularis に分離が生じ、骨性の連続性を欠いた状態。
● 椎体・横突起・椎弓根・上関節突起からなる前部と下関節突起・椎弓・棘突起からなる後部とに分かれる。
● 単椎体障害:L5>L4に好発する。
● 幼少期に分離が生じると、椎体終板の障害が併発し、分離すべり症に伸展することもある。
[症状]
● 多くは腰痛を愁訴とするが、分離発生後長期経過すると、分離部から造成した線維軟骨性の組織により、神経根障害を生じることもある。
● 同じ姿勢を長くしていると、腰が痛くなる、
● 背中を後ろに反らせる、腰掛ける、立つ、歩くなど 同じ動作を続けるのがつらい。
● 分離した椎体と椎弓は安定を失なうため、椎間板の変性によって椎体が前方にすべり出し、脊椎すべり症に発展することがある(分離すべり症)。
● スポーツ活動や日常生活に支障をきたした有症状分離症患者では、しばしば分離部に高張食塩水を注射すると、腰痛が再現され、その後局所麻酔薬を注射すると、腰痛が一定期間消失または著明に減弱する。
● このような症例に分離部の瘢痕組織や線維性軟骨塊を除去した後、分離部に骨移植を行い骨性の連続性を獲得させると、腰痛は著明に改善する。
[成因]
● 椎間関節突起間部への機械的ストレスの繰り返しによって起こる。
● 成長期にスポーツを素因として生じることが多く、その本体は疲労骨折であると考えられている。
● 激しい腰のひねりや強い前屈、背屈が原因になることが多い
● 関節突起間が分離して「犬の首輪像」を呈する。
● 関節突起間が分離した結果、脊柱が不安定になる場合がある。