● 50歳以上の中高年に多い。
● 動脈硬化に由来して、主として中動脈以上の腸骨動脈、大腿動脈以下にアテロームによる閉塞が認められることが多い。
● 高齢化、食生活の変化とともに、本邦でも増加している。
● 血管造影では、虫食い像が特徴的である。
● 手術の対象となる例が多い。
● ASOの患者は高血圧、冠動脈硬化、腎機能低下などの様々な疾患を合併していることが多い。
● 糖尿病、高コレステロール血症を基礎疾患としていることが多い。
◇アテローム(粉瘤)
皮下に生じた角質が充満した袋状の構造物。袋自体が角質をつくる細胞でできているため、徐々に内容である角質は増えていきます。皮膚の下に袋状の構造物。
◇アアテローム動脈硬化(粥状動脈硬化)
脂肪性物質のまだらな沈着物が中動脈や大動脈の内壁で大きくなるため、血流が減少したり、遮断されたりする病気。少
■ 閉塞性動脈硬化症の症状 (Fontaine分類)
1期 しびれ・冷感 |
動脈硬化が原因で足の血行が悪くなり、急激な運動や連続歩行の直後などにしびれ、冷感がみられる。しかしこの段階では血行不全はそれほどひどくなく、多くの場合症状もすぐ消失し、通常は無症状。また皮膚変化としては皮膚の、皮下脂肪の委縮、脱毛などがみられる。 |
2期 間歇性跛行期 |
下肢血行不全の特徴的症状。間歇的跛行:一定の距離を歩行した後、特定の筋肉に痛みや硬直を起こし、歩行不能になるが、しばらく休むと再び歩けるようになる。安静時にはかろうじて血流が保たれているが、歩行時には足へ十分な血液(酸素)が供給できなくなって起こる症状 |
3期 安静時疼痛期 |
もっと血行が悪くなると、安静時にも血液(酸素)供給が不足し、疼痛が起こるようになる。足を少しでも下げると痛みが軽くなるので、ベットから足を下げて寝るような姿勢をとる人もいるす。こうした状態になると足の潰瘍、壊死が起こりやすくなるため、必ず治療する必要がある。 |
4期 潰瘍、壊死期 |
小さな傷や圧迫を受けやすい場所、たとえば足趾の先端部などの血流の悪いところから皮膚の壊死、潰瘍が生じます。血流が悪いために治りが悪く、患部はどんどん広がる。下手をすると、足の切断にもなりかねない。すぐに適切な治療を行う必要がある。 ⇒壊疽 |
■ ルリッシュ症 Leriche Syndrome ←→Sudek-Leriche syndrome(Sudeck骨萎縮)
■ 大動脈閉塞症 Aortoiliac occlusive disease:AOD (血栓性大動脈分岐閉塞症)
● 腹部大動脈下部から総腸骨動脈領域に血栓性動脈閉塞を来す疾患の総称腎動脈分岐部以下の腹部大動脈から動脈閉塞が始まり、総腸骨動脈分岐部周辺までに限局した慢性の大動脈閉塞症であり、症例によっては外腸骨動脈ないし浅大腿動脈にまで閉塞は及ぶことがある。
● 原因:慢性の大動脈閉塞を生じる原因は、血管炎、大動脈炎症候群、動脈硬化症、閉塞症、動脈内膜剥離、動脈瘤、血管外傷、腫瘤圧迫など多岐にわたる。
● 直接の原因は血栓・塞栓によることが多いが、通常高度の動脈硬化が基盤となっている。35〜60歳の男性に多い。
● 古典的三徴:1. 両側の大腿動脈の脈拍減弱または消失、2. 両下肢における間欠性跛行、3. 勃起障害(インポテンス)
● その他の症状には、両下肢の対称性萎縮、両下肢のチアノーゼ、両下肢の阻血性潰瘍を認めることがある。
1814年:Robert Graham(1786/12/3〜1845/8/7, グラスゴーのRoyal Infirmaryの医師→植物学者)が初めて報告した。 |
1940年:René Leriche(P1879/10/12〜1955/12/28, フランスの外科医)は三徴↓を含めた病態解剖生理を報告したため、その名前がつけられようになった。 |