血管収縮による痛みの悪循環説

“交感神経活動の亢進ー血管収縮による悪循環説
William K. Livingston(P 1892〜1966, 外科医)は、著書「Pain Mechanisms」(1943年)の中で、交感神経の過興奮が痛みの悪循環に深く関与するという「痛みの悪循環説」を提唱した。心筋における活動回路と痛みを比較することによっって、痛みの悪循環を血管収縮によって萎縮が生じるのと類似としたものであると記述した。 EvansやBonicaは、この説に深く影響され、1980年代中頃までは、CRPSは交感神経活動の亢進によって生じる症候群と理解されていたが、この仮説はCRPSの発現メカニズムを説明する汎用的理論には至らなかった。

→確認用元ページ http://plaza.umin.ac.jp/~beehappy/analgesia/pain.html

感覚線維を巻き込んだ末梢組織の基質的障害は、慢性の刺激元となる。
→この発痛点を出た求心性インパルスが、たまたま脊髄灰白質内の「介在ニューロンからなる中枢」の異常活動状態を創出する。
→引き換えに、介在ニューロン群の撹乱が、一つまたはそれ以上の分節の前角の運動ニューロンと側角の交感神経節前ニューロンの異常反応に反映される。
→この脊髄ニューロン活動の混乱が、末梢における筋攣縮、血管運動機能の変化その他をもたらし、痛みと新たな反射のもとになって、悪循環が増強される。

神経ブロック療法が奏効するメカニズムの一つはこの痛みの悪循環を切ることによると考えられている。