疝痛 Colic

繰り返される間欠性の腹部痙攣痛

疝痛をきたす疾患
 ○ 腸疝痛 colic of the intestine
  急性腸炎 acute enteritis
  腸閉塞 intestinal obstruction
 ○ 胆石疝痛 biliary collic
 ○ 腎性疝痛 renal colic
 ○ 卵巣疝痛 ovarian colic
 ○ 子宮疝痛 uterine colic
 ○ 急性間欠性ポリフィリン症 intermittent acute pophuria : IAP
 ○ 鉛疝痛 lead colic

● 典型的な疝痛発作は、間欠的な波状の痛みで、休止期を伴うことが多い。痛みが次第に強まった後、次第に弱まる「クレッシェンド・デクレッシェンド」を反復する。これがはっきりしているのは、腸の通過障害である。
● 胆石症の疝痛は普通速やかに最大になり、その後あまり変わらない。疝痛は痙攣性の持続痛になりがちである。
● 腎性疝痛でも「クレッシェンド・デクレッシェンド」がみられる。
● 腎盂・尿路結石の疝痛と胆石症の疝痛は、何秒、何分のうちに最大になる。
● 膵臓炎、胆嚢炎などの痛みは1時間あるいはそれ以上かかって最大になる。
● 虫垂炎や憩室炎の痛みはさらに遅れて最大になる。
● 腎盂・尿路結石の場合、患者は発作がいつ始まったかを正確に覚えていない。何故?
 虫垂炎の患者はある時間帯に起こったとしか覚えていない。何故?
● 膵臓などの病変が後腹膜腔におよべば、仰臥位で寝ていると痛みが強まり、身体を前屈すると楽になる。
● 腹膜炎が発生すると、身体の動きが痛みを増悪させるので、患者はじっとこらえていて、咳や深呼吸を控える。
● 腎盂・尿管、胆道、腸などからの管腔臓器に通過障害がある場合は、どのような姿勢にしても、痛みが楽になる姿勢はない。脂汗を浮かべて呻吟し、七転八倒する。
● 疝痛に苦しむ患者は腹部を押さえる。