筋骨格系の痛み

—体性痛-深部痛

■運動器 musculoskeletal system

● 身体を構成し、支え、身体運動を可能にする器官
● 身体機能を担う筋・骨格・神経系の総称
● ヒトでは身体の支柱である全身の骨格と関節(骨格系)と、それらに結合する骨格筋、腱および靭帯(筋系)が運動器系に所属する。
● 自分の意志で動かせる組織であり、立つ、歩く、投げるといった身体活動を担う組織であり、日常の生活を送る上で欠くことのできないもの。
● 運動器はそれぞれが連携して働いており、どのひとつが悪くても身体はうまく動かない。また複数の運動器が同時に障害を受けることもある。
● 高齢者では運動器の複数の病態が複合して移動能力を低下させる。
 

■「世界筋骨格痛年」(The Global Year Against Musculoskeletal Pain)

IASPのキャンペーン 2009年10月19日〜2010年10月18日
→Fact Sheets  運動器痛/ 筋痛の基礎/ 運動器痛の評価/ 運動器の疫学/ 運動器のマネージメントにおけるインターディシプリナリーアプローチ/ エビデンスに基づいた慢性の運動器痛の生物心理社会的治療/ 運動器痛に対する運動器療法/ 恐怖回避と運動器痛/ 急性の運動器痛/ スポーツと運動と運動における障害と痛み/ 上腕骨顆部痛/ 線維筋痛症/ 筋筋膜性痛/ 顎関節症の痛み/ 機能障害/ 関節痛/ 頚部痛/ Whiplash/ Osteoarthritis-Related Pain/ Osteoporosis/ Rheumatoid Arthritis/Shoulder Pain
 

■『Bone and Joint Decade 2000-2010』= 『運動器の10年』

● Lars Lidgren(スウェーデンルンドLund大学の整形外科医)は、運動器疾患・障害の克服に向けた啓発と研究推進による治療法の開発と予防の重要性を提唱した。
● 1999年に国連のアナン事務総長が支持を表明し、WHOは2000〜2010年を「TheBone and Joint Decade」と定め、各国が主体的にその予防・治療研究と啓発に取り組むことを求めた。
● 現在、アメリカ・ヨーロッパを含む世界85カ国が参加しており、日本でも2000年から活動を開始し、日本整形外科学会を始め、多くの学会がこの運動に賛同している。

● 運動器の病気や障害に悩み、苦しむ人達の頻度が極めて高く、ADLやQOLの低下を来たし、さらに生命予後にも多大な影響を及ぼす。一方、社会に与える負担が大きいにも拘らず、これまで社会的に重視されていない。
● 運動器障害による病態に関する研究を推進し、個人の自立と尊厳という視点に立って運動器の重要性を評価し、バリアフリーを目指す生活環境の確立する。
● ロコモティブシンドローム locomotive syndrome:ロコモ
● 運動器の障害のために要介護となる危険の高い状態
● 「人間は運動器に支えられて生きている。運動器の健康には、医学的評価と対策が重要であるということを日々意識してほしい」というメッセージが込められている。
 

■ロコモティブシンドロームの三大要因

● 脊柱管狭窄による脊髄、馬尾、神経根の障害
● 変形性関節症、関節炎による下肢の関節障害
● 骨粗鬆症、骨粗鬆症性骨折
 

■骨と関節の日:10月8日

『ホネ』の『ホ』は十と八にわけることができ、10月10日の体育の日にも近いので、10月8日に定められた。